現在は世に散らばるWebAPIの活用方法を検証します。
今回も前回と同じく、Yahooのテキスト解析APIから、ルビ振りAPIという機能を検証します。
ルビとは
ルビとは、以下のように漢字にフリガナをつける機能のことです。このような表示を可能としているのは、<ruby>というHTMLタグです。
ブラウザによって対応していたり、していなかったりしますが、
最近のHTML5対応型ブラウザであれば対応していることが多いです。
HTML5の情報については、すでにネットに大量に転がっていますので、ここでは割愛とさせて頂きます。
しかし、上記のような「ルビ=漢字の読み仮名」という図式は、まあ一応は標準的な使い方とされているわけですけれども、使い道は色々と自由になりますよね。
だって、ベースとなる文字の上に小さな文字をつけるというシンプルな機能であって、別に「カタカナ拘束」のような制約はありませんから。
例えば、
みたいに、その単語にちょっと付属情報を入れる、みたいな使い方が出来ます。
こういうのを駆使してより良いインターフェースを作っていきたいものです。
ルビ振りAPI
上記では<ruby>の使い道について記述しましたが、今回のメインであるYahooのルビ振りAPIは、「漢字かな交じり文に、ひらがなとローマ字をつける」という標準的な用途の為のAPIです。公式サイトは以下です。
http://developer.yahoo.co.jp/webapi/jlp/furigana/v1/furigana.html
さて、ここを見ますと、以下のような説明がありました。
どうやら、「子供向けにフリガナを振る」というのが本来の趣旨のようです。
子供用の教育サイトとか、子供用新聞記事とか、そういったサイトであれば需要がありそうです。
とはいえ、私は業務システム開発がメインのSEですので、そんな子供用機能は需要が無いです。
しかし、そこを何か別の形で利用出来るのではないかな、と思って考えてみました。
例えば、以下のように名前とフリガナを入力する機能があるとします。
姓 名
セイ メイ
でも、両方入れるのは面倒なので、漢字だけ入れればカタカナは自動補完してくれると便利なのに、と常々思っています。
というわけで、私の名前でルビ振りAPIを実行してみました。
実行プログラムは依然と全く一緒。送信先URLを変えるだけで実行出来ました。
以下の過去記事をご確認ください。
さて、実行した結果は以下になりました。
- 遠藤⇒えんどう(endou)
- 太志郎⇒ふとししろう(hutosisirou)
ん~、ダメか。。。
やる前からなんとなく想像がついていましたが、私の名前は珍しいので対応出来ません。
「遠藤太郎」でやってみたら、正常に機能しました。
言語解析である以上は仕方のないことかもしれませんが、
「精度が100%ではない。」
という問題がついて回ってきてしまいます。
このため、業務システムに導入するのはタイミングが難しそうです。
活用方法考案
このAPIは、「精度が100%ではない」という絶対的な問題があります。だからと言って、「それじゃ使えねーよ」と断じてしまうのは早計でしょう。
別の考え方をすれば「大体は合っている」わけですので、「精度が大体OKであれば十分」という用途ならば使えるわけです。
例えば、私はルビ振りAPIの機能のうち、「ローマ字機能」の方に着目してみました。
システムを扱っていると、「ファイル名は半角英数字で保存しなければならない」という制約に必ずぶつかります。
例えば、ファイルアップローダーです。
「打ち合わせ資料20130112.zip」をアップロードすると、大抵の場合は「142453.zip」みたいに名前がシーケンス番号等に変換されてリンク先URLになっています。
- http://tasy.com/download/142453.zip
みたいな感じですが、これじゃあURLだけでは中身が何か分かりません。
そこを、このローマ字変換機能を使います。すると、
- http://tasy.com/download/142453/utiawasesiryou20130112.zip
という形で保存出来るわけですよ。
URLの一意性はディレクトリ構成で対処、ファイル名はローマ字変換です。
完璧とは言えませんが、シーケンス番号よりは良くなったでしょう?
「システム=精度100%とは限らない。気持ち便利になった程度でも価値がある」
こういうシチュエーションもあるということです。
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