2017年11月4日土曜日

【人工知能調査】始めに

株式会社ジェニシス 技術開発事業部の遠藤 太志郎(Tacy)です。

業務多忙によりしばらく連載を停止していましたが、そろそろ復活していきたいと思います。
時間も経ってしまっているので、新しいテーマで仕切り直しです。

テーマは人工知能(AI)


最近、人工知能がブームでよく話題を耳にしますよね。
人工知能という概念自体は私が生まれる前からありました。
それが最近ブームになりつつあるのは、もちろん鉄腕アトムのレベルには達しないものの、ある程度の成果、使い道が生じる程度にまで実現性が生まれてきたからでしょう。

その為か、私は人工知能という言葉はバズワード化してきていると思っています。

人工知能とそうでないもの


そもそも「人工知能」という言葉自体、特に明確な線引きがあるわけでは無いのでバズワード化するのも無理は無いと思いますが、
それでも世の中の人は「人工知能」と「そうでないもの」を分けて表現していると思います。

だって、
  • 人が近付くと自動ドアが開く。⇒人工知能ではない。
  • 写真に写っている人の顔を自動認証する。⇒人工知能だ!!
みたいな感覚、あると思います。
どっちも自動認証していることには変わらんと思うのですが、不思議ですよね。

他には、
  • 格闘ゲームでコンピュータが対戦相手を務める。⇒人工知能ではない。
  • コンピュータがプロ棋士に将棋で勝った!!⇒人工知能の時代だ!!
とか。

恐らく「何か知らんが凄いもの」と「そうでないもの」くらいの感覚かと……。

しかし、私はこの「何か知らんが」の部分に鍵があると思います。

人工知能とは


昔を思い出すと、私が最初に「人工知能って凄い!!」と思ったのは子供の頃、ドラゴンクエスト4でした。
ドラクエは3以前はプレイヤーがコマンド入力で戦っていましたが、4以降はコンピュータが自動戦闘してくれるのです。
しかもドラクエ4の場合、戦闘を重ねる毎に学習して頭が良くなっていくという機能まで付いていました。
これを「人工知能」と称して大々的に宣伝を打っていました。

後に知ったのですが、ドラクエ4のアレは、実は人工知能でも何でも無いんですよ。

「戦闘するとランダムでフラグが解禁される。だから何度も戦っているとフラグが全て解禁されて頭が良くなったように見える」

これだけ。単なるフラグ処理です。
ファミコンなんだからその程度が関の山なのは当然ですが、当時子供だった私は本気で人工知能と信じ込んでいました。

しかし、ここに一つの真理があります。

  • 中身がどうだろうと、人工知能っぽい挙動であれば、人はそれを人工知能と思う。

それが人工知能かどうかなんて、外から見ても分かりゃしない。

その人がそう思うかどうかの世界です。

では、何をもって人はそれを「人工知能っぽい」と思うか?
私の考えはコレです。

  • 学習機能を有している。

これが核心だと思います。

自動学習機能


この視点で冒頭に戻ってみましょう。

自動ドア、格闘ゲーム
これらは人が近付くと自動でドアが開いたり、パンチを打つと防御してきたりするわけですが、それは事前に開発者がプログラミングしたものです。
なので、能力はずっと固定。自動で能力が上がったりすることはありません。
「この自動ドア、昔は開かなかったけど、最近調子良くなったね」なんてことは起きません。

 ⇒人工知能ではない。

顔自動認証、将棋
将棋の方が分かり易いと思いますが、これらはサンプルとなる膨大な過去データを内部に持っていて、その膨大な過去データをサーチして経験則的に挙動を決めてきます。
だから内部データが増えるほど頭が良くなるという学習機能を有している、と言えます。

 ⇒人工知能である。


そうして学習機能して得た成果は「マッチング条件」の精度に反映されてきます。

  • 開発者が自分でマッチング条件をプログラミングしているものは、人工知能ではない。
  • 機械がマッチング条件を自動生成しているものは、人工知能である。

こう定義すると、人工知能というあやふやな言葉も、ビジネスの世界で要望されているものの本質に近付いてくるのではないでしょうか?

終わりに


そう考えると、人工知能の意義というものが見えてきましたね。
人工知能とは、結局はツールの一種、手段の一種でしか無くて、
開発者が人工知能に望んでいるのは、要するにこういうこと。


人間が自力でプログラミングし切れないマッチング条件を、コンピュータが代行して自動生成して欲しい!!


人工知能が「何か知らんが凄いもの」と見える理由はココ、人間でもよく分からんロジックを委託しているからなんですね。

そして、最終目的である「自動生成」に到達する為の過程として存在するものが「学習機能」なわけです。

となると、

どうやってコンピュータに学習機能を持たせるか?

ということが重要になってきます。
そういった時に登場するのが、こちらも最近話題の「機械学習(machine learning)」です。

「人工知能」と「機械学習」の関連性が見えてきたところで、次回に続きます。

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