2015年6月16日火曜日

【Azure】Microsoft Azure チャレンジ編 初めに

株式会社ジェニシス 技術開発事業部の遠藤 太志郎(Tacy)です。

ここ最近はクラウド基盤「Google App Engine(以下、GAE)」について連載を継続してきましたが、世の中には他にもクラウド基盤は沢山あります。
他のクラウド基盤も調査して行かなければ……。

と言うわけで、この辺りで別のクラウド環境「Microsoft Azure」にチャレンジしていきたいと思います。

クラウドのシェア調査

まずは以下の図をご確認下さい。
アメリカの調査会社「Synergy Research Group」がリサーチした、クラウド環境のシェア率です。

Synergy Research Groupによるクラウド環境シェア調査


  • 1位:Amazon:27%
  • 2位:Microsoft:10%
  • 3位:IBM:7%

そこから先はGoogleの5%、SalesForceの4%と続くようです。
やっぱりAmazonが最強ですね。

上記のリサーチだとAmazonのシェアは27%ですが、私としてはちょっと意外です。
ネット上のニュースを見ていますと、「クラウド=Amazon」くらいの勢いで情報が氾濫しているような……。
私の中のイメージだとAmazonのシェアは75%くらいだと思っていました。

私が頑張ったGoogleは4位の5%です……。
まあ、面白いものだと思いますが、業務用としては如何なものかという面は確かにありますからね……。

ちょっとした便利アプリを作ってリリースするとか、WebAPIの拠点に特化するとか、限定されたシチュエーションであればGAEは最強だと思っています。
しかしながら、その条件に合致する案件が見当たりません。
ビジネスの路線として掲げるには些か厳しいところがあります。
チャンスがあれば案件で採用したいところですが、しばらくは様子見です。(残念)

5位はSalesForceです。
私はSalesForceについてもチラッと触ったことがあるのですが、あれはSalesForceに対する専門知識が要求されますね。
非常に難しいです。
また、SalesForceは特に営業支援ツールとしては非常に無敵のパワーを発揮するものですが、一方でその機能が使えるからこそ意味があるもので、
それ以外の関係無い案件には大して利点もありません。

私が思うに、GAEもSalesForceも、クラウド環境としての圧倒的高性能を有しながら、案件として採用出来るパターンの狭さ故に遅れを取っているイメージがあります。
適した案件を安定供給して貰えるなら大歓迎なのですが、それが無いビジネス環境ですと、活躍する機会に巡り会えません。

対してシェアNo.1を誇るAmazonはIaaSと言いまして、細かいことはさておき、仮想サーバを丸ごと一個借りるのに近いイメージ。
何でもありなのです。

対して、2位のMicrosoft AzureはPaaS形式と言いまして、簡単に言えば最初から用意されているWindowsServerにアプリだけ載せるようなイメージ。
Amazon程ではありませんが、自由も結構効きます。

3位のIBMは、ちょっと詳しくは存じませんが、IaaSとPaaSの両方をやっているようです。

これらから総合するに、私はクラウド市場をこのように考えています。

クラウド環境のシェア=汎用性である、と。

もちろん値段とか機能とかも重要ですよ?
でも、GAEやSalesForceみたいに機能・性能こそ最強でも個性が強過ぎるクラウド環境は案件が付いてこないのです。

「要件定義を完全にコントロール出来るならGAEという選択肢もあるが、実際にはそう都合良く行かない」

という現実が横たわっています。

クライアントから無茶な要求を言われても対応しなければいけない、という切実な事情を踏まえると、とりあえずAmazonみたいな汎用性の高いクラウド環境を選んでおくのが一番無難なんですね。

このシェア率はリスクマネージメントの結果が反映されているのだと、Tacyは考えています。

なぜAzureか?

以上により、クラウドを始めるならAmazonを選ぶのが一番無難でオススメです。

しかしですね、Amazonは仮想サーバを1コ借りるのに近いイメージの体制を取っているだけあって、設定作業という名のサーバ構築がそれなりに大変なのです。

自由度とのバーターなので仕方ありませんが、省ける作業は省きたいでしょう?

と言うわけで、自由度は1ランク下げても良いから、もう少しお手軽なクラウド環境を選ぶとなると……、それがAzureなんです。

例えば、DBはSQL Server限定とか、渋い制約を課せられてしまう部分も少なくないですが、一方で「それくらいの制約なら、こっち側で合わせてあげることができるかな?」と思えなくも無い。

自由度を取るか、保守性やコストパフォーマンスを取るか、絶妙なバランス感覚を要求される所ですが、Azure程度なら丁度良いんじゃないかと思うわけですよ。

そして、同じ事を考えている人も多いのか、Azureは成長度が違います。

AWSの成長度が2014年で51%なのに対し、Azureは96%!!

Azureの成長力はAWSの2倍!!

シェアならAmazonですが、成長力ならAzureが上なのです。
これはAzureの絶妙なバランス感覚を物語った数字な気がします。
まだしばらくAmazonの優位が続くと思いますが、いずれAzureが逆転するかもしれません。

総括しますと、

  • 完璧を期するならAmazon。
  • 最適を狙うならAzure。
  • 最強を目指すなら個別に吟味。

私はこのクラウド環境にこのようなイメージを持っています。
そして今回、私は後者についてチャレンジしてみようと思い立つに至りました。

終わりに

というわけで、来週からは新連載「Microsoft Azure」を初めていきたいと思います。

調査を完了してから執筆するのではなく、手探りで進めながらその風景を実況するという体裁で進行します。

長期連載になりますが、応援よろしくお願い致します。

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