2017年12月4日月曜日

【Googleクラウド・機械学習編】機能のご紹介

株式会社ジェニシス 技術開発事業部の遠藤 太志郎(Tacy)です。

最近流行の機械学習について勉強中です。

今までは「人工知能調査」と銘打って記事のタイトルとしていましたが、調査対象をGoogleクラウドの機械学習APIに絞り込んだことから、記事のタイトルも合わせて絞り込んだものにしてみました。

では、早速機械学習APIの中に入っていきましょう。

何が出来るのか?

ご存じ無い方だと、「機械学習のAPI? 何のこっちゃ?」という印象かと思います。
以下の例を見ればすぐイメージが沸くでしょう。

CLOUD NATURAL LANGUAGE API


「非構造化テキストから分析情報を得る」とのこと。
「非構造化テキスト」とは、例えばこのブログの記事のようなフリー文章のことです。

フリー文章をこのAPIに食わせると、「機械学習」「人工知能」みたいな要点となる単語をピックアップしてきたり、そこに含まれている感情をピックアップしてきたりするものです。

例えば自社サービスのユーザからアンケートを収拾してきて、それを食わせると、


  • 「高い」
  • 「障害」
  • 「対応」
  • 「値段」


みたいな、特徴的な単語が抽出されてきます。
加えて、「怒り:20%」「不満:30%」「良好:50%」みたいな感情も数値化されて出てきます。

こういう情報を見て、

「ああ、利用者はウチのサービスに対して値段の高さ、障害発生率、ヘルプデスクの対応、この辺りを気にしているんだなぁ。値下げは出来ないけど、障害発生率、ヘルプデスクは気になる。これは新機能の追加より、現在のサービスの安定性向上にリソースを割いた方が良いってことなのかなぁ」

という判断材料に使えるわけですね。

このAPIは「ユーザからの声を数値化するサービス」と言えるでしょう。
上手く使えば経営者の目がキラキラするかもしれません。

補足ですが、「ビッグデータ解析と似たようなもんだな」という印象を抱く方もいると思います。
私は「似たような物ではなく、同じ物だ」と解釈しています。

機械学習とビッグデータ解析は技術領域が被っていますので、両者の境界線は曖昧です。

CLOUD SPEECH API



音声をテキスト変換するAPIです。日本語にも対応していることを確認済み。

最近のスマホは「近所の居酒屋まで道案内してや」と話し掛けるだけでGoogleマップが起動したりしますが、恐らくはこの技術を使っているものと推測されます。

私は業務系エンジニアであるため、このAPIの使い道は真っ先に以下を思いつきました。

  • 議事録のテキスト化

会議の内容を手持ちのスマホで録音して、戻ってからAPIに食わせてテキスト化出来るんじゃないか!?

これは期待大です。

CLOUD TRANSLATION API

言わずと知れたGoogle伝統の翻訳APIです。

最高に素晴らしい機能ではありますが、公式のGoogle翻訳以上のものを自分で作るのは難しいんじゃないかな?

自分のアプリの中にGoogle翻訳を組み込みたいようなケースがあれば、活躍するのかもしれません。

CLOUD VISION API


画像を解析するAPIです。
画像から様々な情報を抽出します。


  • ラベル検出
  • 不適切なコンテンツの検出
  • ロゴ検出
  • ランドマーク検出
  • 光学式文字認識(OCR)
  • 顔検出
  • 画像属性


「光学式文字認識(OCR)」とは、画像の中に書かれた文字をテキスト抽出することです。
名刺画像を食わせれば名前を抽出出来る、とかそういう機能ですね。

それ以外は何のこっちゃ???

これ、使ってみれば感覚が分かります。
以下、私の写真を食わせてみました。



JOY:■■■■■

とか出ていますね。

「これ、お前が遊びに出かけた時の写真だろ!!」と、断定してきているわけですね。
服装のポップな感じから見極めていると思われます。

人間の思考回路と同じ。
実に人工知能らしい機能じゃありませんか。

その他の機能

上記を見ると、「ああ、あのサービスのあの機能はコレだったんだ」と思う方も多いと思います。
何か、どこかで見たことがあるような機能です。

あの機能を自分で作るとなると途方も無い労力です。
しかしWebAPIを使えば簡単に実現出来ます。

それが機械学習APIなわけですね。

最後に、私が気になるAPIをご紹介。

CLOUD JOBS API





限定公開アルファ版。

「求職者がもっと簡単に職を探せるようにするという幅広い取り組みの一環」

とのことです。

要するに、「求職者のスキル」と「企業の求めている人材像」を分析してマッチングする機能ということでしょう。
リクルートとかが関心を寄せそうな話です。

これを弊社ジェニシスに置き換えた場合、弊社では「マッチング営業」という業務が存在します。
SEを派遣する時の仲介となる業務です。

この業務は「行う仕事と、派遣された人材のスキルが合わない」というスキルミスマッチが大問題に発展します。
もちろん、念入りに面談して技術力も見極めればそんなことは起きるはずは無いのですが、「忙しくて面談の時間が30分しか取れない」とか「技術力を見極める力量のある人が忙しいので動員出来ない」とか、大人の事情で万全な体制が取れないケースがあります。

しかし、機械学習を活用してSEの職務経歴書を読み込ませて判断材料にすることが出来れば、問題点のいくらかは補強されるんじゃないかと思います。

こんな風に「もしかしたらこんなことが出来るんじゃないかな?」と期待が膨らんでいく辺りが、機械学習の楽しいところですね。

終わりに

次回からは上記のAPIを実際に使っていきたいと思います。

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