2015年10月28日水曜日

【AzureでSugarCRM】始めに

株式会社ジェニシス 技術開発事業部の遠藤 太志郎(Tacy)です。

前回までのAzureの調査を行って参りましたが、結局の所、Azureは普通の開発と特に変わりなく開発出来るということが分かってしまいました。
なので、後はAzureのメニューの中で用意されているお好きな製品をどうぞ、ということになるわけですが……。

これからしばらくはいくつか製品を見ていきたいと思います。

Azure標準製品

過去にも触れましたが、AzureのWebアプリには標準で多数のライブラリが揃っています。


基本的にはこの中から選んでいくのがAzureのポイントでしょう。

クラウドの利点の一つは、スタートが早いことです。

普通だったら、サーバを買って、OSをインストールして、DBをインストールして、使いたい製品をインストールして、他にもあれこれ。
それで漸く起動するWebアプリがボタン一個で起動する。
早い。

「インフラ+アプリのセット販売」

それがクラウドの中でも「SaaS」と呼ばれる形態の特徴でしょう。
なので、セット販売されているカタログの中から製品を選ぶのは当然です。

逆にカタログに無いマイナーなアプリを使いたい場合は「IaaS」と呼ばれる形態のクラウドサービスを使用する必要があります。


ともかく、AzureWebアプリケーションを使っていく以上、その中にある「ライブラリ」の中から好みの製品を選ぶ必要があります。

2015年10月現在では以下のメニューが取りそろえられております。

  • Acquia Drupal 7
  • Apache Tomcat 8
  • Better CMS
  • BlogEngine.NET
  • Bottle
  • BugNET
  • CakePHP
  • Composite C1 CMS
  • Concrete5
  • DasBlog
  • Django
  • DNN Platform
  • Drupal Commerce
  • EC-CUBE
  • Express サイト
  • Flask
  • Gallery Server Pro
  • Ghost
  • Incentive
  • Java Coffee Shop
  • Jetty
  • Joomla!
  • Kentico CMS for ASP.NET
  • Lemoon
  • MageliaWebStore (IIS 用)
  • Magento
  • MediaWiki
  • mojoPortal
  • MonoX
  • MVC フォーラム
  • nopCommerce
  • nService
  • NuData DKAN
  • OpenCart
  • Orchard CMS
  • osCommerce
  • OWA
  • phpBB
  • Piwik
  • Pligg
  • razorC.net
  • SageFrame
  • Service Gateway
  • SoNET Web Engine 4.1
  • SugarCRM
  • Umbraco CMS
  • Virto Commerce
  • WordPress

さて、この中から試しにめぼしい製品を一つ…・・。

まずは「SugarCRM」から行ってみたいと思います。

SugarCRMとは


SugarCRMとは、アメリカで開発されている顧客管理システムです。

取引先の住所、電話番号、メールアドレスなどの情報管理に始まり、メールを一斉送信したり、営業活動支援ツールが入っていたり、
まあ色々と製品独特の高機能なものが入っています。

なぜ私がSugarCRMを選んだかと言いますと、我が社の社内に既にそれがあるからです。
ただし、社内からしか閲覧出来ず、SugarCRMのフルパワーを発揮しているとは到底言い難いでしょう。

しかしクラウド基盤Azureに載せれば社外のどこからでもアクセス出来るようになるはずです。
一方、セキュリティ要件も重要ですので、検証が必要……。

と言うわけで、弊社営業のお手伝いとAzureの技術調査を兼ねまして、AzureでSugarCRMを使っていく連載を始めたいと思います。

終わりに

では、来週はさっそSugarCRMを起動していきたいと思います。

顧客管理システム導入というのは、基本的に高いです。
小さい会社だとコストパフォーマンスも鑑みて、顧客管理をエクセルとかでやっているところも多いと思います。

しかし、AzureでSugarCRMを展開する方式であれば凄く安い値段で運営出来ることでしょう。

そのように、顧客管理システムを導入したいけれども及び腰でいる方々のお役に立てる連載にしていきたいと思います。

2015年10月12日月曜日

【Azure】チェックアウトとデプロイ

株式会社ジェニシス 技術開発事業部の遠藤 太志郎(Tacy)です。

現在はMicrosoft Azureについて連載中です。
引き続き調査を継続していきます。

今回はクラウドサーバ上に展開されているソースそのものに着手していきたいと思います。

チェックアウト

先日の記事でGitによるソースチェックアウト方法まで確認出来ました。
では、実際にソースをチェックアウトしたいと思います。

まず、コンソールの「デプロイ」の所からGitのURLをゲットします。


このソースを元にGitをクローンします。
前提としてローカルPCに既にGitがインストールされていることになっています。
まだの方はインストールして下さい。

TortoizeGitがオススメです。




途中でパスワード入力が聞かれますが、Gitリポジトリ作成時に入力したパスワードを入力して下さい。

AzureのパスワードとGitのパスワードは別です。

サービスとして全く別物なのでID&パスワードの統合が技術的に出来ないのでしょうが、ちょっぴり不便な気もしますね。

そんなこんなで無事にチェックアウト出来ました。


チェックアウト後の姿はこんな感じ。


今回は最初にCakePHPを選択していますから、そのライブラリ一式が登録されているだけ。
特にAzure独特のファイルは見当たりません。

至って標準的なソースです。

デプロイ

では、ソースを変えてデプロイしてみましょう。

CakePHPで一番手っ取り早い確認は「\app\View\Layouts\default.ctp」これを書き換えることですね。
適当に書き換えてみます。


次はこれをコミットします。よいしょ。


コミットしたらプッシュします。
Gitに慣れていない方に向けて補足ですが、コミットとは「ローカルリポジトリに保存」、プッシュとは「リモートリポジトリに保存」を意味します。
SVNの時は「コミット=リモートリポジトリに保存」でしたので、この違いに最初は混乱するかもしれませんね。


さて、無事に何事も無くプッシュ出来ました。
サーバ上のサイトはどうなっていますでしょうか?


左上に改修した痕跡が……って、思いっきり文字化けしてますね!!

どうやら最初は英語状態になっているようです。
日本語を表示するにはエンコードの指定等の対処が必要なようです。

このままでは格好悪いのでエンコードを指定して再表示。


うん。ちゃんと表示されました。

以上、特にコレと言って特筆すること無くデプロイまで完了出来ました。

従来方式のやり方で手動でサーバ上にファイルを設置するより、このGitを利用したやり方の方がずっと簡単だと思います。
実に便利ですね。

終わりに

以上により、デプロイに関しては特にAzure独特の知識が求められるものではありません。
この点のみならず、Azureは総じてAzure独特仕様というものが少なく、汎用知識で対処出来ることが多いイメージです。

新規に導入するに際してもハードルは低いと思われ、大変好印象ですね。

引き続き調査を継続していきたいと思います。