現在はMicrosoft Azureについて連載中です。
初心者につき至らぬ部分も多いかと思いますが、最後までお付き合い下さい。
クラウドの個性とは?
さて、そもそもとしまして、クラウド基盤を使うことにどんな利点があるのか?そう問われれば、まず出てくるのが以下の辺りでしょう。
- 自前でサーバを持たなくて良い。
- 保守が楽。
- コスト効率が良い。
- 大量アクセスにも対応可能。
まあそうなんですけどね。
しかし、世の中にはクラウド基盤は沢山あるのです。
そして大概のクラウド基盤は上記の要件を満たしています。
(満たしていないのにクラウドを騙る詐欺サービスもありますが、私はそれをクラウドとは認めません)
では、どんなクラウド基盤でも上記の要件を満たすわけだからクラウド基盤はどれを使ってもみんな同じか?
違います。
クラウド基盤には個性が存在します。
「あっちのクラウド基盤には出来ないけど、私の所の基盤なら出来るよ!!」
という要素が存在するのです。
なので、クラウドの個性を意識せずに『クラウド』と言ってしまうのは、言わば以下のような感じ。
- DBはみんな同じじゃないの?⇒いや、SQLが使えるのは同じだけど、OracleにはあるけどMySqlには無い機能もあるよ。
- パソコンはみんな同じじゃ無いの?⇒いや、MACとWindowsで全然違うよ。
- 温泉ってどこも同じじゃ無いの?⇒いや、あっちは風呂入って寝るだけ。こっちはマッサージも用意してある。
- 洗剤ってみんな同じじゃないの?⇒使ってみれば直ぐ分かるけど結構違うよ。
クラウドの個性を知らずにクラウドを始めるのは、
こいくち醤油とうすくち醤油の違いを知らずに料亭を始めるようなもの。
こんなノリじゃマトモなサービスは提供出来ないですよね?
なので、クラウドを始めるときは、まずそのクラウドの個性を知るところから始めなければなりません。
ソリューションチェック
では、Microsoft Azureにはどんな個性があるか?そこを調査していきたいと思います。
クラウドの個性と言っても、正直な話、機能や値段、拡張性、開発効率などなど色々あり過ぎて全部は追いきれません。
このため、今回は余り深掘りはせずに、ショートスタート。
とりあえず始めるにあたっての初歩的な所から調査していきたいと思います。
まず、Azureのトップページに載っているのがこちらです。
6種類のソリューションが載っていますね。
これがAzureのイチオシする6大機能と言って差し支えないでしょう。
それぞれ解説を以下に記載します
Web Apps
Azureの代表的サービス。SaaSと呼ばれるクラウドの中でも代表的な形態の一つ。Webアプリケーションの展開に最適なパッケージです。
「Windows Server」と「SQL Server」が最初から用意されており、開発者は自前のアプリを載せる所からスタート出来ます。
楽チンですね。
しかし、逆に言えば「Windows ServerじゃなくてLinuxがいいんだけど」「SQL ServerじゃなくてOracle使いたい」みたいな要望には対応出来ません。
最初から決まった構成で構築済みのサーバにみんなで便乗するのがSaaSですから。
制約がある反面、安く使わせて貰えるのがメリットです。
Visual Machine
Azure第二の弾丸。IaaSと呼ばれるクラウドの中でも代表的な形態の一つ。早い話が、仮想マシンを丸ごと1コ借りるイメージでしょうか。
Linux、Oracleなど大概の要件には対応出来ますが、自分で一から構築しなければなりませんし、そこそこ値段もするのがデメリット。
それなら自分でサーバを持つのと何が違うかって?
これは仮想マシンを借りるだけですので、物理的にサーバを買う必要が無く、それだけ初期費用が安いですよね?
また、サーバが物理的に故障することもありません。
地震でデータセンターが海の底に沈んでデータが消し飛ぶ心配もしなくて良いです。
物理的制約から解放されるだけでも価値があるのです。
地震が心配なら日本のデータセンターを使うな、という一つの結論がここにあります。
(まあ、Microsoftの運営する複数のデータセンターが同時に核ミサイルの攻撃を受けたら流石に終わりでしょうが、それを言っちゃあ何も出来ません)
なお、クラウド界の王者であるAmazonAWSも似たようなサービスを提供しています。
SQL Database
Microsoftの誇るデータベース「SQL Server」とは別の話なので注意!!「SQL Database」という、大量処理に特化したデータベースを提供して頂けるようです。
「大量負荷に対応する為には、普通のDBではなく大量処理対応型DBが必要」
この要件に対応するためのものですね。
Mache Lerning
クラウド分析の予測サービスと言う触れ込みです。「自分のサイトにログインしているこの人は、他にどんな商品に興味があるのかな?」とか、「最近の世の中の流行キーワードは?」とか、そういうことを分析出来る機能を提供している模様です。
私はこの手のマーケティング手法は未経験者ですので敷居が高いですが、連載を続けるにつれて、これらの機能についても検証していきたいと思います。
モバイルバックエンド
スマホアプリの拠点として稼働する各種機能を備えたソリューションです。普通のWebサイトと、スマホ向けサイトって何が違うのかって?
例えば、スマホでSNSとかを使っていると、「○○さんが投稿しました」みたいな通知が来ますよね?
あれは「プッシュ通知」と言いまして、拠点となるサーバ側から情報を送り込んでいるのですよ。
そういうスマホ特化機能が目白押しのソリューションです。
RemoteApp
Windowsを展開するMicrosoftならではの必殺技。シンクライアントでWindowsOSを使用出来ます。
今現在、私達は自分のPCにOSを入れていますが、近い将来は一般ユーザに至るまで全部シンクラ化する可能性も十分にありますね。
終わりに
上記はAzureのトップページに載っている情報をサラッと眼を通しただけですが、それでもこれだけ豊富な機能があることに驚きです。逆に言うと、勉強するべき要素が多いということでしょう。
これから頑張って調査を進めていきます。
最初は一番の代表サービス「Web Apps」で何かサンプルアプリを作ってみたいと思います。